空き家の固定資産税が6倍に?特定空家と対策
空き家の固定資産税が高くなる仕組み
「空き家の固定資産税が6倍になる」と聞いたことがある方も多いでしょう。これは、住宅用地の特例が解除されることで起こります。
住宅用地の特例とは
住宅が建っている土地には、固定資産税を軽減する特例があります。
| 区分 | 軽減率 |
|---|---|
| 小規模住宅用地(200㎡以下) | 課税標準額が1/6に |
| 一般住宅用地(200㎡超) | 課税標準額が1/3に |
特例が解除されると
この特例が解除されると、固定資産税が最大6倍になります。
計算例
土地の評価額:1,800万円(200㎡以下)
課税標準額(通常):300万円(1/6に軽減)
固定資産税(通常):300万円 × 1.4% = 4.2万円
課税標準額(特例解除):1,800万円
固定資産税(特例解除):1,800万円 × 1.4% = 25.2万円
増加額:21万円/年(6倍)
特定空家とは
特定空家の定義
空家等対策特別措置法に基づき、以下のいずれかに該当する空き家は「特定空家」に指定されます。
| 区分 | 内容 |
|---|---|
| 倒壊の危険 | 著しく保安上危険な状態 |
| 衛生上有害 | 著しく衛生上有害な状態 |
| 景観阻害 | 著しく景観を損なう状態 |
| 生活環境への影響 | 放置により周辺の生活環境に悪影響 |
具体例
倒壊の危険
- 基礎が傾いている
- 屋根が崩落している
- 外壁が剥がれている
衛生上有害
- ゴミが放置されている
- 害虫・害獣が発生
- 悪臭がする
景観阻害
- 雑草が繁茂
- 落書きがある
- ゴミが散乱
管理不全空家(2023年新設)
管理不全空家とは
2023年の法改正で、「管理不全空家」という新しいカテゴリが設けられました。
特定空家になる前の段階で、適切な管理がされていない空き家が対象です。
管理不全空家に指定されると
- 市区町村から指導・勧告
- 勧告を受けると住宅用地特例が解除
- 固定資産税が上がる
特定空家との違い
| 項目 | 管理不全空家 | 特定空家 |
|---|---|---|
| 状態 | 放置すると特定空家になる | 著しく危険・有害 |
| 特例解除 | 勧告後に解除 | 勧告後に解除 |
| 行政代執行 | なし | あり(解体される可能性) |
特例解除までの流れ
ステップ1:調査
市区町村が空き家の状態を調査します。
ステップ2:助言・指導
管理不全または特定空家に該当する場合、まず助言・指導が行われます。
ステップ3:勧告
改善されない場合、勧告が行われます。この時点で住宅用地特例が解除されます。
ステップ4:命令(特定空家のみ)
勧告に従わない場合、改善命令が出されます。
ステップ5:行政代執行(特定空家のみ)
命令に従わない場合、市区町村が強制的に解体し、費用を所有者に請求します。
対策方法
対策1:適切な管理を続ける
最も基本的な対策は、空き家を適切に管理することです。
管理のポイント
- 定期的な換気・通水
- 草刈り・清掃
- 建物の点検・修繕
- 郵便物の管理
管理が難しい場合
- 空き家管理サービスを利用(月額5,000〜15,000円程度)
対策2:早めに売却する
管理が困難な場合は、早めに売却を検討しましょう。
売却のメリット
- 固定資産税の負担がなくなる
- 管理の手間がなくなる
- 特定空家指定のリスク回避
対策3:解体して更地にする
建物を解体して更地にする方法です。
注意点
- 更地にすると住宅用地特例がなくなる
- ただし、特定空家指定よりは予測可能
- 更地の方が売却しやすい場合も
対策4:賃貸に出す
リフォームして賃貸に出す方法です。
条件
- 建物の状態が比較的良好
- 賃貸需要がある立地
- リフォーム費用を回収できる見込み
対策5:行政の支援制度を活用
自治体によっては、以下の支援制度があります。
- 解体費用の補助
- 耐震リフォーム補助
- 空き家バンク
よくある質問
Q:どのくらいで特定空家になる?
明確な期間の基準はありません。建物の状態や近隣からの苦情などが判断材料になります。
Q:相続した空き家も対象?
はい。相続した空き家も同様に対象です。相続登記が済んでいなくても、実質的な所有者に管理責任があります。
Q:遠方に住んでいても責任がある?
はい。遠方に住んでいても所有者として管理責任があります。管理が難しい場合は、管理サービスの利用か売却を検討しましょう。
Q:すでに勧告を受けた場合は?
早急に改善するか、売却を検討しましょう。放置するとさらに命令、行政代執行と進む可能性があります。
固定資産税の計算シミュレーション
ケース1:200㎡の土地、住宅あり
評価額:2,000万円
課税標準額:2,000万円 × 1/6 = 約333万円
固定資産税:333万円 × 1.4% = 約4.7万円/年
ケース2:同じ土地、特例解除後
評価額:2,000万円
課税標準額:2,000万円(特例なし)
固定資産税:2,000万円 × 1.4% × 0.7(負担調整)= 約19.6万円/年
増加額:約15万円/年
※実際の計算は負担調整措置により、急激な増加は抑えられます。
まとめ
空き家の固定資産税と対策についてまとめます。
固定資産税が上がるケース
- 特定空家・管理不全空家に指定
- 勧告を受ける
- 住宅用地特例が解除
対策
- 適切な管理を続ける
- 早めに売却する
- 解体して更地にする
- 賃貸に出す
当サービスでは、空き家の買取に対応しています。固定資産税の負担が心配な方は、お気軽にご相談ください。