物件タイプ別
相続人が多すぎて登記できない土地の処分方法
公開: 2026年1月10日
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相続人が多いと登記できない理由
相続登記を行うには、相続人全員の協力が必要です。相続人が多いと、以下の問題が発生します。
全員の同意が必要
遺産分割協議を行うには、相続人全員が協議に参加し、合意する必要があります。
必要なもの
- 相続人全員の署名・押印
- 相続人全員の印鑑証明書
- 相続人全員の戸籍謄本
よくある問題
| 問題 | 内容 |
|---|---|
| 連絡が取れない | 疎遠になっている、行方不明 |
| 協力してくれない | 関心がない、面倒くさい |
| 意見が合わない | 分け方で対立 |
| 費用負担で揉める | 登記費用を誰が負担するか |
相続人が増える原因
- 相続登記の放置: 登記しないうちに相続人が亡くなる
- 数次相続: 相続が繰り返し発生
- 代襲相続: 相続人が先に亡くなり、その子が代わりに相続
処分方法1:全員の合意を得て売却
合意形成のポイント
ステップ1:相続人リストの作成 まず、誰が相続人なのか正確に把握します。司法書士に依頼して戸籍調査を行います。
ステップ2:全員への連絡 手紙、電話、訪問などで全員に連絡を取ります。
ステップ3:説明会の開催 オンラインまたは対面で説明会を開催。売却のメリットを説明します。
ステップ4:個別フォロー 合意しない相続人には個別に対応。懸念点を解消します。
説得のポイント
- 現金化のメリット: 土地より現金の方が分けやすい
- 維持費の負担: 固定資産税や管理費がかかっている
- 将来のリスク: さらに相続人が増える可能性
- 法的義務: 相続登記の義務化(2024年4月〜)
合意が難しい場合の対応
- 調停: 家庭裁判所に遺産分割調停を申し立てる
- 審判: 調停がまとまらなければ審判で決定
- 弁護士の介入: 専門家を通じて交渉
処分方法2:法定相続分で登記
遺産分割協議がまとまらない場合でも、法定相続分での登記は単独で可能です。
法定相続分とは
| 相続パターン | 法定相続分 |
|---|---|
| 配偶者+子1人 | 配偶者1/2、子1/2 |
| 配偶者+子2人 | 配偶者1/2、子各1/4 |
| 子3人のみ | 各1/3 |
単独での登記方法
- 相続人の一人が単独で申請可能
- 他の相続人の同意は不要
- 全員が法定相続分で共有登記される
メリット
- 協議不要で登記できる
- 相続登記義務化に対応
- 過料を免れることができる
デメリット
- 共有状態になる
- 売却には全員の同意が必要
- 持分だけなら単独で売却可能
処分方法3:自分の持分だけ売却
法定相続分で登記した後、自分の持分だけを売却する方法があります。
持分売却のメリット
- 他の相続人の同意は不要
- 確実に現金化できる
- 共有状態から離脱
持分売却の流れ
- 法定相続分で登記
- 持分買取業者に査定依頼
- 価格・条件の確認
- 売買契約・決済
価格の目安
持分売却の価格は、持分相当額の50〜70%程度になります。
例:土地全体が1,000万円、持分が1/10の場合
持分相当額 = 1,000万円 × 1/10 = 100万円
売却価格 = 100万円 × 50〜70% = 50〜70万円
処分方法4:相続放棄
土地に価値がなく、負担が大きい場合は相続放棄も選択肢です。
相続放棄の条件
- 相続開始を知ってから3ヶ月以内
- 家庭裁判所に申述
- 他の財産も含めて放棄
注意点
- 土地だけ放棄することはできない
- プラスの財産も放棄することになる
- 放棄すると次順位の相続人に移る
放棄後の管理責任
2023年4月の民法改正により、相続放棄しても「現に占有している」場合は管理義務が残る場合があります。
処分方法5:相続土地国庫帰属制度
2023年4月から始まった新制度で、相続した土地を国に引き渡すことができます。
利用条件
以下の条件をすべて満たす必要があります。
- 建物がない
- 担保権が設定されていない
- 通路として使用されていない
- 土壌汚染がない
- 境界が明確
- その他、管理に過分の費用がかからない
費用
- 審査手数料:14,000円
- 負担金:20万円〜(土地の種類による)
制限
共有地の場合は、共有者全員で申請する必要があります。
専門家への相談
司法書士
- 相続人調査
- 戸籍収集
- 登記手続き
弁護士
- 遺産分割の交渉
- 調停・審判の代理
- 法的アドバイス
買取業者
- 複雑な権利関係への対応
- 相続人との交渉サポート
- スピーディーな現金化
まとめ
相続人が多くて登記できない土地の処分方法をまとめます。
| 方法 | 他の相続人の同意 | 期間 | 費用 |
|---|---|---|---|
| 全員の合意で売却 | 必要 | 長い | 中 |
| 法定相続分で登記 | 不要 | 短い | 低い |
| 持分だけ売却 | 不要 | 短い | 低い |
| 相続放棄 | 不要 | 短い | 低い |
| 国庫帰属 | 全員必要 | 長い | 中 |
現実的な選択肢
- まずは全員の合意を目指す
- 難しければ法定相続分で登記
- 自分の持分だけ売却して離脱
当サービスでは、相続人が多数いる複雑なケースでも対応しています。お気軽にご相談ください。